インク壺 コラム第8回


作品の価格

「作家が亡くなると作品は高くなる!」
と皆様思っておりますがこれは全くの間違いです。

殆どの作家が安くなってしまいます。
極稀に(0.01%、1万人に1人ぐらいでしょうか)高くなる作家もありますがそれも生前に高額だった作家は皆無で殆どが寡作の作家です。
ではなぜこのようになるのか説明します。
現存中は本人の力や義理、稀に政治力等で価格が維持されます。画廊、画商、百貨店等も協力します。でも亡くなりますと、作品を頂いていた方や義理で購入した方がまず手放します。
この作品が市場に出ます。亡くなっておりますのでこの作品を力や義理で購入する方はなく、供給過多になり価格が下がり続けるという事になります。画商が買い支える事がありますが永く続きません。

もう1点ですが、最近の傾向としまして亡くなって年月が経つほど安くなるという事です。
収集家の代替わりや作家とのつながり、思い出がある年代でない事も影響しております。特に日本画の掛軸の作品が顕著です。 床の間が無くなった住宅事情もありますし若い方の絵の好みの変化もあります。
残念ですが大観、玉堂等の近代巨匠も然りです。

本当にお好きな作品で心の糧にして頂ければ宜しいかと思います。

佐々木


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