金城一国斎

金城一国斎(7代、きんじょう いっこくさい、1965年(昭和40)~(現在))
広島県出身、本名は池田昭人

初代を祖とし、二代より一子相伝で受け継がれる高盛絵の技法を現代に伝える漆芸家として有名。
初代澤木正平が大坂で漆芸を学び、その後、尾張藩に召され御用絵師となり、
金城一国斎と名乗ったのが初めとされる。
また、伝統の高盛絵の技法は、二代一国斎が考案したものとされ、代々受け継がれている。
また改良研究がなされており、三代の時代になり明治に入ると、各展覧会、博覧会などにも出品し
明治九年の京都博覧会や明治十年の第一回内国勧業博覧会で受賞を重ねる。
また明治天皇御用品の製作等も手がけこの時代の作品には手間、暇、金などを惜しまずに製作されおり、
煙草入れをひとつ製作するのに、一年余の製作日数をかけており、
一般庶民の手の出せない品物となっていたため、主に外国人を取引相手としている。
この時代の作品の美術性が高い事もさることながら、現存が極端に少なく現在、市場においても
高く評価されている。

四代~六代の一国斎にしても、やはり展覧会などを中心として活動し、しばしば慶事があると
広島県からの献上品として皇族に納められた。
特に五代一国斎は、高盛絵のほかに当時の漆芸家の最高峰であった赤塚自得に師事し
金蒔絵の技術を取得し、それまで赤、黒、褐色、緑といった濃色を中心とした高盛絵に金を用いて
華やかさを演出し、その幅や可能性を構築した。

現在七代の昭人氏が日本伝統工芸展などに出品して活躍中だが、高盛絵作品のほかに
彫蒔絵の作品を多く製作し、現代感覚溢れる作風で新たな境地を画策している。