インク壺 コラム第7回


「フェニックス」

大内青圃 版画「不死鳥フェニックス」
大内青圃 版画「不死鳥フェニックス」

未曾有の大災害から不死鳥のように甦ることを願っております。

「フェニックス福井」という言葉がございます。私の故郷の福井市のスローガンです。「フェニックス福井」は「不死鳥のまち・福井」です。

その由来は

①第二次世界大戦時の昭和20年7月19日 福井空襲。B29・120機。死者1,576人。
福井は昔から紡績が盛んで多くの紡績工場が軍需工場となり、その為に空襲されたと聞いております。昔、家の庭にもそこで造っていた飛行機の頭といわれているのが転がっておりました。

②昭和23年6月28日、福井大震災。マグニチュード7.1(震度7)というすさまじい都市直下型大地震が福井市を襲い、死者・行方不明者3,858人、被害戸数46,115戸という甚大な被害。死者数では兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が起きるまで戦後日本最大。人口比の被害では関東大震災と並び、日本史上最悪の大地震。

③同年の水害、と短い間に3度も大きな災害に見舞われました。

この3度の大災害から不死鳥のように甦り、完全復活したことから名づけられた名前です。

私の家も福井市内にありましたので、空襲で焼け、再建したのもつかの間震災で倒れ、また復興したら水害、とその都度家を建てたと祖父に聞いておりました。震度7を経験した父はその後地震恐怖症になり、小さな地震でも一目散に外に飛び出ておりました(地震がトラウマになっていたのでしょうね)。この度罹災された方の心も心配です。

今、東北関東大震災で甚大な被害が報告されております。とても胸が痛みます。でも、きっと「フェニックス」のように甦ることを信じ、願って止みません。

佐々木

すべての商品はこちら

ページトップへ