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たぬき
実家の床の間に物心ついたときより鎮座しておりました、たぬきの置物がありました。 |

四分一打出 狸公 香合
河内宗明(作)
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顔は小さくリアルで口も少し開いておりそこから歯並びまで見え空を見上げており、お腹は満月のように大きく 毛並みは一本、一本まで表現された焼き物製の座ったたぬきでした。
中学、高校の頃には少しは骨董が解るようになり、たぬきの出生を調べてみますと幕末の名工、仁阿彌道八のお得意のたぬきでした。 |
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背中に穴が開いておりそこから炭を入れて、手あぶりで使用する置物でした。
それがいつのまにか床の間から玄関に移り、そこでも長い間座っておりました。 |
昨年帰省したとき玄関がいつもと何か違うように感じ、よくよく見るとたぬきに異変がおきておりました。
顔は丸く変わり、毛並みは無くなり、お腹は小さくなり、座っていたはずが立ち上がっており、おまけに徳利まで持っておりました。
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家のものに聞くといつの間にか変わっていたとの事、頭の黒い二本足で歩く狸にすっかり化かされてしまった次第です。
ちなみに新しい信楽製の新品のたぬきでした。
あーー道八のたぬきはいったいどこへ;;;;;;;; |